更新日:2024.04.01

中国語の背景と世界での位置づけ

皮影戯(中国の影絵芝居)

皮影戯(中国の影絵芝居)

天壇(北京市)

天壇(北京市)

中国語は、中国・台湾・シンガポールなどの国や地域で公用語として用いられており、使用人口はこれら地域だけでも14億人を超えます。また、世界中に多くの華僑・華人も散住しており、5人に1人が話す世界で最も使用人口の多い言語の一つです。
中国語は国際連合における公用語でもあり、また、中国はすでに米国に迫る経済力を有し、中国語を話すことができれば、より多くのビジネスチャンスとキャリアアップが期待できるでしょう。中国関係の政治・経済・文学・歴史などの人文科学系の分野はもちろんのこと、近年では学術文献・特許文書などに関連して、医歯薬理工農などの理工系の分野でも必要性が急速に高まっています。
一方、緊迫の度を増す昨今の世界、及び東アジア情勢の中であればこそ、相手国の言語を真摯に学び、互いに正しく理解しあうことは、一層重要性を増してきていると言えるでしょう。東北大学の中国語教育は、日中の長い交流の歴史に想いを寄せながら、中国の文化、社会への関心を育むことにも留意し、幅広い価値観と世界観、多文化共生の礎の上に、日中の言葉の架け橋を築くことを目指します。
なお、中国の広大な国土には多くの方言体系が存在しますが、皆さんが大学で学ぶのは、北京方言を基礎とした「普通話」と呼ばれる共通語です。

 

学習方法・参考となるホームページの紹介

中国語は、China – Tibet語族に属し、孤立語、声調言語(Tone Language)に分類され、語順によって意味が決まるという文法構造、言語学的な特徴を持ちます。また、36の母音、21の子音、これらの組み合わせによってできる400ほどの音節があり、さらにその上に4種類の音の高低、すなわち声調を有します。中国語はこのような複雑な音声体系を有しますが、同時にこれによってメロディーのように美しい音の響きを伴うことになります。日中両国には、2千年にわたる長い文化交流の歴史があり、ともに漢字文化圏に属することで、中国語に学びやすい、親しみやすいという魅力が感じられるかもしれません。

では、上記のような言語学的な特徴を有する中国語に、どのようにアプローチしていけばよいのか、どうすればマスターすることができるのでしょうか。そのポイントは、極めてシンプルな“多听(duō tīng)!多说(duō shuō)!”です。すなわち発音学習を始め、とにかく耳と口を使って、たくさん聞き、たくさん話すこと、さらにネイティブと会話してみるなど、音声を伴う学習、耳と口のトレーニングを徹底することです。

本学の中国語基礎教育では、通常の対面授業に東北大学学生向けに開発された授業動画や練習アプリなど、多元的なオリジナル学習コンテンツを組み合わせ、いわゆるブレンディッドラーニング(Blended Learning)の形式によって行われます。通常の教科書のほかに、随時随所に学習ができるように、オンデマンド用の授業動画とスマートフォン利用の練習用アプリ教材を開発し、これに対面授業を組み合わせることで、効果的・効率的に楽しく中国語の基礎を培うことができます。また、現在東北大学には1,300人ほどの中国人留学生がおり、中国語を学ぶ上でとても豊かな国際環境となっています。

東北大学が開発した基礎中國語の教材

中国語学習参考サイト

 
桂林(広西チワン族自治区)

桂林(広西チワン族自治区)

上海の高層ビル群

上海の高層ビル群

北京の秋を楽しむ子どもたち

北京の秋を楽しむ子どもたち

 

カリキュラム

東北大学の中国語教育は、時代のニーズに合うよう授業の質を高める努力をしてきています。カリキュラムは基礎中国語から展開中国語、さらに上級のクラスも提供しており、それぞれのレベルの要望に応えています。特に、基礎中国語では、令和5年度からICT(情報通信技術)を活用し、いつでもどこでも繰り返し受講できるオンデマンド授業と教室での対面授業を組合せたブレンディッドラーニングにより学習を進めます。

具体的には、週2回の授業のうち、前半の1回はオンデマンド授業で、授業動画やスマートフォンアプリによる学習と練習を行い、効率的に単語、文法、会話のインプットと定着を図ります。後半の1回は対面授業で、中国語の実践応用として、「聞く・話す・読む・書く」4技能練習、課題発表などを行い、豊かなアウトプットを目指します。

中国語は日本と同じく漢字を用いているため、学習が容易なように感じられるかもしれません。ただ、中国では画数を減らした簡体字が使われており、日本語の数倍の音節数を有する中国語の発音も、習得がなかなか難しいとされています。東北大の中国語教育では、皆さんの中国語学習を強力にサポートすべく、独自開発した教科書、授業動画、スマホアプリなど豊富な教材とICT学習環境を提供するとともに、様々な言語学習活動を通して、実践的コニュニケーション能力の育成を目指します。

教員紹介

研究成果

教科書『KOTOTOMOプラス(増課) ことばを友に』とそのオンデマンド授業動画が開発されました。

2023年1月、大学初修中国語向け教科書『KOTOTOMOプラス(増課) ことばを友に』が出版されました(朝日出版社)。本教科書は、2017年4月に出版された前著の増課版で、豊かなアウトプット学習を目指し、学習到達度も少し上げました。さらに、2023年度にスタートする基礎中国語ブレンディッドラーニングに向けて、オンデマンド授業用動画も新たに開発されました。これらの開発研究は、2022年度高度教養教育・学生支援機構 機構長裁量経費および言語・文化教育センター経費の助成を受けるとともに、教科書及び授業動画、教授資料などは、朝日出版社の出資により開発されたものであり、産学連携の成果です。なお、本教科書の音声と会話動画、音読練習動画は、下記によりストリーミング配信されています。

アプリ「KoToToMo Plus」がリニューアルされました。

2023年4月、大学初修中国語向けアプリ「KoToToMo Plus」(2018年4月開発)がリニューアルされました。これは、JSPS科研費 (19K00875、19H04223、20K03119) の助成を受け、大学初修中国語向け教科書:『KOTOTOMOプラス(増課) ことばを友に』の練習教材として設計・開発されたものです。本アプリは、スマートフォンの音声認識機能を活用した単語練習、文法練習、リスニング練習、及び会話練習からなり、また学習の確認や管理に便利な機能が様々に実装されていることから、学習者はいつでもどこでも、気軽に楽しく効果的なミニ練習を行いながら、自己の進捗状況や誤答傾向も把握するができ、学習の動機付けにつながります。
本アプリは、2023年4月より、東北大学初修中国語の練習教材として使用が開始されましたが、下記により無料で配信されており、自由に利用いただけます。

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