Taishi KOBAYASI

小林 大志 講師

専門分野 ドイツ語学,理論言語学
東北大学研究者紹介ページ  

大学で初めてドイツ語を学び,講読の授業で哲学者ハンナ・アーレントに関する文章を読んだとき,私は,「どうしてこんなに回りくどい,面倒くさい表現の仕方をするのだろう」と思いました。その時は単にその著者の癖なのかと思っていたのですが,ドイツ語を学び続けるうちに,どうやらそうした,私たち日本語話者には一見して「回りくどく,面倒くさい」と感じられる表現が,ドイツ語の書き言葉ではごくふつうの表現なのだとわかりました。同じ事柄を表現するのに,ドイツ語では日本語とは異なる表現の仕方をするのが,「回りくどく,面倒くさい」という印象につながったのです。そのことが分かってから,「回りくどく,面倒くさい」という印象は,「日本語と違って面白い」という気持ちにかわりました。以来,ドイツ語のドイツ語らしい表現の特徴を理解しようと,動詞の名詞化や冠詞について研究しています。